障がいのアーティストが生み出す「いのち輝くアート展」

 

東京国際福祉機器展が開催されています(リアル展:9月27日〜29日/Web展:8月28日〜10月30日)。

東京ビッグサイトで開催されたリアル展では、50周年特別企画として「いのち輝くアート展」が注目を集めていました。この展示では、障がいのあるアーティストたちが生み出すアート作品がフォントやパターンとしてデザインされ様々な商品に活かされています。

 

 

 

「いのち輝くアート展」のメインの展示。上部に「フクシ✖️デザイン=可能性〜産官学福の矯正で社会をつなぐ〜」と記載されています。下にはシブヤフォントの垂れ幕や、シブヤフォントを使用した作品があります。
「いのち輝くアート展」のメイン展示

 

会場では、元の絵を描いたアーティストさんと直接お目にかかることができました。そのアーティストさんはコロナ禍での経験から生まれた作品を披露していました。彼女は毎日の検温が日課となる中で、36.6という数字を多く描くようになったそうです。実際にスケッチブックに描いたものを見せていただきましたが、本当に紙面いっぱいに無数の36.6が並んでいました。

その作品をデザインしたシャツは色違いで2種類。何だかとても楽しい作品に仕上がっていて、自分用に欲しくなったほどです。

アーティストさんは自分の描いたものがシャツになったことの喜びを、満面の笑みで表現してくださいました。

 

黒ベースと白ベースの2種のシャツ。どちらも手書きの「36.6」が規則的に並んでいるデザイン。
障がいのあるアーティストさんの作品をデザインしたシャツ

 

「いのち輝くアート展」の運営協力は一般社団法人シブヤフォントさん。

シブヤフォントとは? シブヤフォントさんのサイトには次のようにあります。

=以下、引用====

渋谷でくらし・はたらく障がいのある人と、渋谷でまなぶ学生が共に創り上げた文字や絵柄をフォントやパターンとしてデザインしたパブリックデータ。

さまざまなモノやコトに使われることで、より多くの人に渋谷を好きになってほしい、シティプライドを感じてほしい、そして障がいのある人の活動を知ってほしい。こうした願いをシブヤフォントに託しました。

=引用、ここまで====

 

 

障がいのあるアーティストさんたちが描いた作品を専門学生がフォント化やパターン化し、「シブヤフォント」として公開しているのです。他にも「ご当地フォント」として、日本各地で生まれたフォントもあります。

これらのフォントは、個人利用では無料や500円程度で利用でき、商用利用も相談次第で可能とのこと。

 

シブヤフォントさんでは、アートとデザインを通じて障がいのある方々の才能を引き出し、広く社会に発信しています
機会があればこれらのフォントやパターンを利用してみたいし、これからもその活動に注目していきたいと思いました。

 

壁面に大きな日本地図があり、ご当地フォントのある地域が示されています
ご当地フォントのコーナー