視覚障がい者スマホ活用フォーラム2024 参加レポート

 

去る2024年7月21日(日)、兵庫県明石市にある複合型交流拠点・ウィズあかしで、音声コードとスマートホンの普及・活用促進のためのフォーラムが開催されました。参加者の第一番目に『視覚障がい者』とあり、音声コードに関する当事者の声を聴く数少ない機会。これは参加しないという選択は無いと、酷暑の明石へ行って来ました。

 

正面から見た明石駅。1階には駅への入り口はファストフードの店舗などが見えます。2階にホームがあり電車が止まっています。
酷暑の明石駅

 

●講演

 

音声コード ユニボイス(Uni-Voice)の開発元である「JAVIS(日本視覚障がい情報普及支援協会)」の能登谷理事長からはUni-Voiceの機能解説のほか、『耳で聴くWebサイト』『耳で聴くハザードマップ』が紹介されました。

姫路市障害福祉課の守能さんからは、姫路市でのUni-Voiceの活用実績の紹介と姫路市内の視覚障がい者に対して行なった音声コードに関するアンケートの調査結果をお話くださいました。音声コードの認知度が10%強というアンケート結果には思わず唸ってしまいました。

 

 

●当事者の声

 

登壇された当事者の方からは、音声コードの利便性や日常生活における影響、普及への期待と課題などを聞くことができました。

またサポーターの方からは「スマホの普及状況はわずか2割、視覚障がい者にスマホは無理と思っている人がほとんど」というお話が。地域によって普及状況の違いはあるかもしれませんが、「視覚障がい者にスマホは無理」と思っている方が多数、というのは現実だと感じます。

スマホを使えばユニボイスをはじめ、さまざまなスマホアプリで生活が広がるというお話に大いに首肯しました。

 

 

●討論会

 

講演や発表を経て討論会がスタート。プログラムでは討論会となっていましたが、Uni-Voice利用経験者による事例報告会のようでした。

音声コードがしっかり読み上げてくれて感動した、音声コードが付いているものがたくさんできると良い、という声のある一方で、音声コード作成ソフトを持ちながら導入しない自治体があることへの疑問・苦言もありました。

また複数の方から発言されたのが、読み上げ原稿の不備によるリンクしない問題と、“切り欠き”の問題。このふたつの問題は、音声コード利用の環境整備が進んでいると紹介された東京でも散見されます。音声コード制作ボランティアの育成を求める声がある一方、制作専門家の認定のほうが有効ではないか、との意見もありました。

 

 

●フォーラムに参加して

 

本フォーラムに当社が参加を決めた理由の一つが、「点字ブロックと同じくらい音声コードを普及させたい」という「姫路デジタルサポート」の栗川さんのメッセージでした。そのためにはどうしたら良いのか。フォーラムでは「音声コード普及の3つのポイント」として当事者の声、行政の力、民間の参加が必要であることが紹介されました。当事者の方々が声を上げ、行政の発行物に取り入れる。それが民間にも広まる…。そんなプラスのスパイラルを目指そうという関係者の方々の思いに意を同じくしました。

フォーラムは今回が第1回でしたが、2回、3回と続けていきたいとのこと。当社もまた参加させていただき、当事者の方々の声に耳を傾けていきたいと思います。

 

今回のフォーラム参加に際しては栗川様に温かく迎えていただきました。心より御礼申し上げます。

 

 

*当日のプログラムや活動記録としてのYouTubeなどは、「姫路デジタルサポート」さんのWebサイトでご覧になれます。

 視覚障がい者スマホ活用フォーラム2024 活動記録